【分数は奥深い】分数がもつ5つの意味
みなさん何気に使っている分数には、算数的にみると5つの意味が存在します。
子どもの会話の中にも、「だいたい1/3ぐらい終わった」とか「一人2/3やな」とか色々と聞こえてきます。
今日は、そんな分数に関する5つの意味について書いていきます。
分数がもつ5つの意味とは?
2/3を例にすると、次の5つになる。
①具体物を3等分したものの二つ分の大きさを表す。(分割分数)
②2/3L、2/3mのように、測定したときの量の大きさを表す。(量分数)
③1を3等分したものの2つ分の大きさを表す。(単位分数)
④AはBの2/3というように、Bを1としたときのAの大きさの割合を表す。(割合分数)
⑤整数の除法「2÷3」の商を表す。(商分数)
このように5つの分数に分けることができる。分け方によってはもっと細かく分けることができるみたいだが、ここでは省略する。
①分割分数は2年生で、②量分数・③単位分数は3年生で、④割合分数・⑤商分数は5年生で学習することになっている。
では、ここからそれぞれの立場から分数を詳しくみていく。
分割分数とは?
ホールケーキを同じ大きさに4つに分けたうちの一つ分は1/4という考え方である。
「だいたい、1/3ぐらい終わった」というのは、この分割分数の考え方であると思われる。全体を同じ大きさに3つに分けたうちの1つ分が終わったという意味であると解釈できる。
つまり、分割分数とは、具体物をいくつかに分けたうちのいくつ分かという考え方です。
量分数とは?
2/3L、2/3mのように、単位のついている分数のことを量分数という。
「1mのテープを3等分したうちの二つ分は2/3mとなる」というは、まさに量分数の考え方である。
分割分数では全体という抽象的なものを基としていたが、量分数では明確な単位を設けている分数ということになる。
単位分数とは?
1/3、1/4、1/5のように、分子が1である分数を単位分数という。
つまり、いくつかに分けたうちの一つ分が単位分数という考え方になる。分数は単位分数のいくつ分かで表すことができる。
例えば、2/3は1/3が二つ分であり、4/3は1/3が4つ分であるという考え方になる。
この単位分数の考え方を使うと、2/3と4/3では4/3の方が大きいとなる。単位分数の考え方を使うことで、分数の大きさ比べができることになる。
割合分数とは?
これは割合を使った考え方である。
例えば、「2mは3mの何倍になるか。」といった問題の答えは2/3倍となります。この2/3が割合分数の考え方です。
これは、3mを「もとにする量」とみたとき、2mの「比べられる量」はどれぐらいの割合で表すかといったことである。つまり、3mを1とみたら、2mは2/3となるよということである。この2/3が割合分数である。
商分数とは?
2を3で割った時の商が2/3になる。この2/3が商分数である。
わり算の答えが分数の時に用いる考え方である。
最後に
分数がもつ5つの意味の違いについて書いた。
この5つの違いを教師は理解していなければ、子どもが分数の単元を正確に学ぶことは難しいだろう。
私も正確にわかっているわけではないが、なんとなくの違いを理解することができたのではないかと思う。
この違いをわかっていないと、どんな間違いが起こるのかについて今後書いていきたい。
ではでは 。今日はこの辺りで。
おわり。