とうふ先生のブログ

卒業式の意味を改めて考える。卒業式はいる?練習は必要?

今日は,住んでいる中学校のことについて思うことがあったので記事にします。

 

その中学校では,全校生徒も少ないことから在校生も参加しますが,時間を短くして短縮版で卒業式が行われる予定です。

 

まぁこのご時世ですから,卒業式があるだけで学校がなんとかしてくれたんだなとは思います。子どもにとっては,なんとか卒業式だけでもと思っていたでしょうから嬉しいでしょう。

 

 

で,僕が何に引っかかったかと言いますと,

 

 

 

卒業式の前日に,卒業式の予行をするのです。

 

 

 

 

ん?

 

 

少し引っかかりますよね。

多くの学校がそうなんですかね?(全然知りません)

 

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために休校しているのに,卒業式の予行はするんですよ?そんなに練習しないと卒業式はできないんですかね?意味あるんですかね?

 

 

子どもの頃から,こんな暑いのに無駄に運動会の練習(特に閉会式の練習)をするのなんでやろうって思っていたタチなので・・なんかこういうのも引っかかってしまいます(笑)

 

 

今日は,卒業式とは何なのかということについて深堀していきたいと思います。

それではいきまーーしょいっ!!!

 

 

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卒業式にはどんな意味があるのか?

卒業式というのは,実は学校の「特別活動」の一つとして行われるのです。

 

 

うん?特別活動なんかあったけ?

 

と思われている方もいるかもしれませんが,授業以外の学校活動はほとんど特別活動です。学級活動,クラブ活動,生徒会活動,学校行事などが特別活動に含まれます。

 

学校行事は,儀式的行事,文化的行事,健康安全・体育的行事,旅行・集団宿泊的行事,勤労生産・奉仕的行事の5つに分類されます。卒業式は,儀式的行事に含まれます。

 

では,その儀式的行事のねらいはどのように定められているかと言いますと

 

 生徒の学校生活に一つの転機を与え,生徒が相互に祝い合い励まし合って喜びを共にし,決意も新たに新しい生活への希望や意欲をもてるような動機付けを行い,学校,社会,国家などへの所属感を深めるとともに,厳かな機会を通して集団の場における規律,気品のある態度を育てる。
 儀式的行事においては,例えば次のとおり資質・能力を育成することが考えられる。
○ 儀式的行事の意義や,その場にふさわしい参加の仕方について理解し,厳粛な場における儀礼やマナー等の規律や気品のある行動の仕方などを身に付けるようにする。
○ 学校生活の節目の場において先を見通したり,これまでの生活を振り
返ったりしながら,新たな生活への自覚を高め,気品ある行動をとること
ができるようにする。
○ 厳粛で清新な気分を味わい,行事を節目としてこれまでの生活を振り返り,新たな生活への希望や意欲につなげるようとする態度を養う。*1

 

と細かく,学習指導要領に定められています。これは儀式的行事全体でのねらいですので,卒業式ですべてのねらいを達成する必要がありませんが,こういうことを目的として行われなければならないのです。

 

 

このねらいを見ると,卒業式では,儀礼やマナーの規律などを身に付けると同時に,これまでを振り返ったり,新たな生活への期待を持てることが大切だということです。

 

卒業式がただ卒業証書を渡すだけの式となってしまっては意味がないという事がわかります。つまり,とりあえずの形式的な式ではまったくもって意味がないのです。

 

こうやって卒業式というものを深堀ると,子どもが意欲的に参加して,未来への希望をもち,子どもが楽しんでいることが大切なのだという事を深く考えさせられました。

 

今回,色々な形で卒業式が行われようとしていますが,形だけやっていますといった卒業式がされるのであれば,本当に意味がないし,子どもたちがかわいそうです。

それぐらいなら,コロナの感染が落ち着いたころに,プレイバック卒業式をしてみてはいいのではないかと思います。

 

 

卒業式の練習は本当に必要なのか?

では,卒業式の練習は必要なのでしょうか。

 

僕が考えるに必要だと思います。

 

 

いや,必要なんかいと突っ込まれそうですが・・・

 

 

 

僕自身の卒業式を振り返ると,通っていた中学では何度も卒業式の練習をしたのを覚えています。ある全体練習の際に,返事が小さいからやり直しとか言って,全体練習終わった後に僕のクラスだけが居残りをして練習させられました。

それだけ毎日練習していると悪ふざけしたくなるのが中学生。友達が返事をする際に「やぁー」とふざけて,生徒は大爆笑,先生はブチギレ(笑)

この事件は今でも鮮明ぶ覚えています。

 

 

と話しはそれましたが,

 

何か目的をもって卒業式の練習をするのには意味があると思いますが,やらされている練習はまったく意味がないと思うので,練習はしなくてもいいと思います。

 

しかし,多くの学校での卒業式の練習は,先生が指示を出して,生徒が動くといった感じだと思います。子どもはいやいや動きますし,やらされている感満載です。だからあんな事件が起きるんですよね・・・

 

前述したとおり,とにかく卒業式にも目的があります。その目的を明確にすること。そして,その卒業式の目的を子どもたちとも共通認識をしておく。そのことが大切ではないでしょうか。

 

卒業式でまったく何をするかのかわからない状態では,子どもは意欲的に取り組みづらいし,主体的に行動ができません。だから練習をして,子どもたちで卒業式をつくっていくことができたらおもしろいのではないでしょうか。

 

 

また今回突然の休校になったことで,多くの学校が練習なしで本番の卒業式を迎えるのではないでしょうか。

 卒業式を終えた学校からは,「練習なしでもできた」という声を聞いています。意外と練習がなくてもできるという事が証明されたのではないのでしょうか。

今回は,練習もしてないからといった危機感から,子どもがいつも以上の力を発揮したのかもしれませんが,子どもはそれだけの力をもっています。

 

 

目的もなく,ひたすらと練習をする根性論や感情論は必要ないです。目的をもって取り組める卒業式の練習となることが大切です。

教育者として,どんな時も子どもの成長を考えられる人でありたいです。

 

 

【今日の余談】

今日,百均に買い物に行ったら,中学生ぐらいの男の子が半袖でいました。

たしかに今日は暑かったですが,半袖は寒くないと心の中で思っていました。

 

明日はまた気温が下がるみたいなので,みなさん体調にはお気をつけください!

 

 

*1:学習指導要領